二年の差。
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アバズレなお嬢さま気質が魅力の澤田かおりさんの来日公演へ。二年ぶり。道玄坂2丁目。
久しぶりと懐かしさを楽しむためだけライブ。名づけて「澤田かおりクラシック」。それならそうと言ってくれてれば、行かなかったのに。
ライブ活動を縮小せざるを得ない状況が続いているミュージシャンには大きくふたつのタイプがあって、ひとつは、縮小しただけのひと、もうひとつは、それでも創作は続けているひと。今日のライブだけで判断するならば、彼女は限りなく前者に近い。コロナに加えて出産も、は理由としては最強だが、今日のHanahさんの三曲目を聴けば、それはすべて言いわけに聞こえてしまう。二〇十八年の渡米から四年。ライブのセットのすべてが新曲に入れ替わっていてもよい期間は、とうに過ぎている。思えば、明確な音楽的な目的、目標、意図、その期間さえもファンには知らせないまま日本を離れた彼女。このままだと渡米の理由は、放浪と結婚と出産、になっちゃうぞ。
そんななかでも、ピアノのアレンジの幅は広がったようでもあったし、スキャットやフェイクには磨きがかかっていたようでもあったし、声のハリも戻ってきたようでもあったし、職業作家としてのクレジットもよく目にしてきたしで、この二年、なんにもしてなかったわけじゃないのもよくわかった。でもやっぱり、新曲のないライブは目玉のない目玉焼きみたいなもんで、いっそつまらない。
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これからのヒントは、肉より魚。