黒木華さんのナマ歌に仰け反る。
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絵にかいたような商業演劇に黒木さんが出演すると聞いて行ってみた。東池袋1丁目。
唐突に始まったナマ歌には驚いたけれど、黒木さんのキーでチューニングされていてずいぶんと歌いやすそう。いっぽうの安田さんはずっとハイ・トーンでつらそう。この対比。こういうのって主役のキーに合わせるもんだと思っていたのだが。
ストーリーはシンプルで、主役も脇役も端役もいっしょになって大騒ぎのドタバタ劇。とくだんのひねりもなく、たいそうなメッセージ性もない。ハラハラもドキドキもなく、行間やト書きを想像することも、セリフのウラを読む必要もない。ゆったりとシートに腰かけて、ときおり見せる当て込んだようなコミックリリーフにくすっと反応しておけば万事オーケー。お目当ての演者さんといっしょにドタバタ気分で過ごすもよし、遠い目でシニカルに眺めて過ごすもよし。幕開きから大大円までテンポ良く、大がかりな舞台セットの見栄えも良い。舞台への意気込みをずっと元気に発散している演者さんたちの姿を見守る二時間強。これを退屈と言わずに何と言う?
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黒木さんじゃないと成立しない舞台ではなかったことが一番のザンネン。