増崎さんがどれだけ本気なのかはよくわからないけれど、少なくとも、彼女自身は間違いなく本気だと思う。
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いつの間にか遠ざかっていたブルアレへ。土曜日の夜の目黒へ。
日本の音やこういうスタイルが彼女には合っていると信じている、と増崎さんは仰っていた。確かにライヴに違和感は感じなかったし、納得できる話だとは思うのだが、聴いてるこちらは実はその音しか知らないことをうすうす知っていて、ホントは騙されてるんじゃないか、とも思ってしまった。
いろんな音を聴かせてくれて楽しませてくれるミュージシャンは、それだけに日々大変な努力と苦労をされてるはず、と想像する。中には、やりたくてやってるわけじゃなく、音楽しかできないからという人もいるだろうけれど、総体的な見方をすれば、そういう裏側は知る由もないし知ったこっちゃない、というのが聴く側のスタイルだと思う。少なくとも日本人のほとんどは。
それでもステージの上に立つ姿に、音楽への本気度とか一生懸命さを感じるライヴだと、ついつい応援しようと思ってしまう浪花節な感覚も持ち合わせていて、若いうちの努力と苦労は買ってでもしろ、という精神論も大切だと思ったりもする。
彼女にしたって、自宅はベッドひとつ入るくらいの広さで、シャワーも共同の部屋に住んでらっしゃると聞いた。ピアノだけじゃなく、ギターまでこなし、同時に歌まで唄うなんて大したものだし、声や容姿の美しさを維持し磨いていく努力も並じゃないはずで、楽曲だけじゃなくて人間性にも惹かれてしまうと、こちらはもうお手上げで、どんなライヴでもいいっ!っというありがちな聴き方をしてしまう。
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今回のライヴも、新曲もフンダン、じっくり聴かせるパート、ノリにまかせるパートなど、短い時間に盛り沢山で、じっくり練られた上質な内容。ツアーはまだ序盤戦だそうで、後半にはもっと音が固まって良くなっていくはず。時間に余裕がある方は、日本発の世界的ブレイク(予定)のスウェーデン人アーティストのライヴを今のうちに是非。