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上原ひろみ「プレイス・トゥ・ビー」日本ツアー(東京最終日)

LUCID NOTE SHIBUYA

さすがサントリーホールは音がいい。空調切っても寒くならないのも不思議・・・。

スキのない演奏とスキだらけのMCが特徴の上原ひろみさんのライヴへ。

上原さんには、あ、もしかしてこれって上原さん?っていう特徴あるメロディ・ラインが、少なくとも私的にはまったく存在しない。知らないだけかもしれないけれど。だから、何の曲を弾いたのかよりも、どんな演奏(奏法)だったのかが、話題の中心だったりする。ライヴ後のお客さんの様子を伺い見ても、すごかったとか、興奮したとか、まるで格闘技の試合を観戦したあとのような感想が先にくる。あの曲はいい曲だったよね、っていう感想が少ないのは、コンポーザーとしては少々辛いかも・・・

そういう打楽器奏者的なイメージを打破しようとされたのか、今年の上原さんは、曲や音をしっかり聴かせようと努力されてたように見えた。ノン・ピーエーはその証しで、いつもの手拍子は最小限にして音をちゃんと聴いて欲しい、っていうことだったようにも思う。これっていう曲のときは、まるでクラシックのリサイタルかのように、演奏前にその曲のストーリーやエピソードを、丁寧にしっかりと説明されてた。どうしても手拍子したくてしょうがない!っていういつものお客さんもいたけれど、おおむねのお客さんは、彼女の術中にしっかりとハマってるようだった。

それでも最後の最後は堰を切ったかのように、いつも通りの展開になっちゃって・・・後方の席では音が全然聴こえない状態のようだったみたいだけれど・・・最終日だし、ま、いっか。

しかし珍しく濃厚な月曜日だったなぁ・・・この先が思いやられます。