重ねて重ねてお願いされる。
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きょうは休日の午後のゆるい時間にぴったりの喜劇、三谷さんバージョンのシェイクスピアへ。太子堂4丁目。
ストーリーで笑わせる芝居のはずなのに、役者さんのキャラで笑わせてしまうところが三谷さんらしい。という視点で眺めると、それほど知名度の高くない役者さんにとっては少々ハードルが高かったようで。心情や策略をわざわざ吐露させてその先の展開を観るものに説明させるのはシェイクスピアの特徴らしいのだが(独白と呼ばれるシーン)、令和の日本人の笑いの型に当てはめるにはシェイクスピアの型は古すぎるのだろうか。ストーリーだけを追いかけるとまったく笑えないし、むしろ腹が立ってくる。はらわたが煮えくり返ったその先に見える失望とかあきらめを払いのけるにはもう笑うしかない。そんな独白シーンをどう受け止めるかで、笑えるか、あるいは白けるか。演劇をとりまくすべての要素の質がそもそも違うんだろうな。
大泉さんは先週の金曜日に話題の某映画の舞台挨拶で拝見したばかり。身のこなしもセリフ回しもまさに大衆演劇界のエンターテイナー(の役柄)。登場シーンで客席から思わず拍手が巻き起こったのは水谷豊さんの芝居以来。いい仕上がり。宮沢さんや峯村さん、山崎さんや高橋さんは、セリフがなくてもそこにいるだけで笑わせてくれるたたずまい。役者やのう。竜星さんは大汗をかきながら大泉さんになんども必死にからみつく姿が好印象。松本さんと松島さんも楽日までにはきっと面白味が増しているはず。期待大。
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緞帳がこれまたいいタイミングで降りてくるのよ。最後の最後まで笑わせてくれる良い舞台。