
火曜日に名古屋、金曜日は梅田、日曜日が日本橋。今週は土岐さんウィーク。
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きょうは土岐さんの新盤リリースツアーの最終公演日へ。日本橋室町2丁目。
名古屋のMCで、ライブに行くときは予習はしない、とおっしゃった土岐さん。いつもなら甚く共感できるエピソードなのだが、今回だけは別。前もってしっかりと聴き込んでしまった。リリースからライブまで二か月近くの間があったし、なんたって一年に一枚のペースで新盤を聴けていたのに、今作にかぎって三年も待ちぼうけを喰わされていたわけで、まったく聴かずに過ごせるはずもなく。。。

今回のツアー、土岐さんにしては長尺なライブ。二曲に一回はなんらかのMCを挟んだことがその要因なのだが、齢を取ると話しが長くなるとか同じことを何度も話すとか、なんていう類いのものではなく、フリーランスになって初めて企画したツアーだったこと、それに伴うすべての責任を背負っていること、そのぶん自由度も高くなったこと、独立して味わったストレスやら不安やらがたまりにたまっていたこと、そんなこんながステージ上で一気に噴き出した結果なんじゃないかなと思う。名古屋はおよそ二時間、梅田では薫さんが思わず「尺は大丈夫?」と心配したくらいの二時間十五分、そして日本橋は休憩含めてもっとも長尺な二時間三十分。もちろんセットリストはまったく同じ。おう、その思い、しっかり受けとめ。。。いやいやいや、長い長い長い、そのぶん曲数増やせぇ!思いはすべて曲で語れぇ!
冒頭のつかみ。あぐりさんがエレベを横に置いてシンセベースを重厚に聴かせた組曲ふうの三曲。なんちゃってジャズドラマーの伊吹さんのちょこまか電子音もナイスなリズム。初っ端にしてバンド・アンサンブルの最大の聴きどころ、最高なアレンジで最良なスタートダッシュ。メンバー紹介のコーナーで薫さんを紹介する高木さんの口からブルー・ペパーズの名を聞いたときの説得力、かれらが土岐さんや土岐さんの音楽をどれだけリスペクトしてきたかがわかるエピソード、土岐さんのうた声とピタリとはまるアレンジ技の数々。いっそのこと佐々木さんもひっぱり出して土岐センゾクバンドにしちゃえなどと思ったり、セットから外れた他の楽曲もかれらのアレンジで聴いてみたいと思ったり。そりゃいいライブになるわけだ。土岐さんのソロデビュー二十周年企画のしめくくり、このメンバーで聴けて良かった。

きょうの最後の最後。あと数小節でライブが終わるとき。溢れる思いを涙で表現しそうになった土岐さん。じぶんで選んだフリーランスの道、独り立ちの辛さ、付きまとう不安、のしかかる重圧、避けられない責任、そんななかでツアーをやりきれたこと、達成感、解放感、安堵感。それらをぜんぶまとめたのがあのうるんだ瞳、だったんじゃないかな。いいツアーだったなあ。
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あとは請求書のヤマをどう処理するか、だな。