ひと月ぶりの更新。夏のおわりに台風はいらない。
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きょうは大西さんの初座長公演の初日へ。主役! トップスター! 浅草2丁目。
とはいえ、キャストのひとりひとりに濃厚な役割りがしっかりと配分されていて、ぜんいん初見にもかかわらず、おわってみるとぜんぶの顔を覚えてしまえるほどの、演者さんには良い台本。
大西さんは抑揚の幅を狭くして、おどけるときも泣くときもマイナーキーで進行する。高い声を無理に出すと裏返っちゃうからなるべく低めのトーンでしゃべりたいなあって思ってるだろ、という印象を聴くものに与える独特なセリフまわし。これがすこぶる心地よい。いいな、大西さん。
ひとつの背景描写とみっつのエピソードに登場する大西さんは、どれもおなじひとなんだけれど、どれもちがうひとに見えてしまう。ひとりの女性が経験を重ねるたびにしだいに変わっていくのではなく、ある日を境に唐突に変わってしまうところがこの台本のおもしろいところ。丁寧さよりもノリの良さ、奥深さよりもわかりやすさ。じぶんの人生、こんな感じで二時間にまとめられたらどれだけ気が楽か。若いっていいな。
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なんで浅草にしたんだろう。つぎは渋谷かシモキタでぜひ。