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由薫 Tour 2024 Brighter – 最終日・大阪公演

LUCID NOTE SHIBUYA

社員ぜんいんは見てられないっていう顔をしながら、じつは一人ひとりちゃんと見ている社長のいる会社に所属する社員こそ、絶対的な幸運の持ち主なんだよ。

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由薫さんの今夏のツアーの最終公演へ。大淀南1丁目。

初日の仙台のあとは渋谷と名古屋を予定していたのだが、さすがにイングランドとニュージーランドを素通りできるほどの勇気はなく、そのかわりに予定していなかった梅田へ。弾丸日帰り。

じぶんの感情を隠さず、抑えず、そのまま表出しさえすれば、日常では得ることのできない快感や感動を手にすることができることを知ってしまった彼女は、もはや無敵だ。社長も「覚醒」と綴っていたけれど、それはライブのステージに立つミュージシャンだけが味わえる魔法のクスリ。いち度知ったらやめられない。使いかたをまちがうと一生を棒にふることになる危険なドラッグ。じぶんに酔わず、依存せず、あいてを酔わせることだけに使うことができれば生き残る資格を得られる。きょうの序盤で見せたあのナミダはこれっきり、もう見せちゃだめ。おなじ手は通用しない。

いっぽうで、音楽的なレベルアップという意味での覚醒であれば、いつだってなんどでも大歓迎だ。「MOMO」から「欲」へのアレンジのコンビネーション、「てぃんさぐぬ花」をオーバーチュアにした「ヒヤシンス」、ギターを置いてハンドマイクで歌う回数を増やし、ありったけのあおり文句でフロアをなぎ倒すステージング、そしてなにより、マニュピをメインにしていたこれまでのカラオケ的ライブから、生音を前面に据え置いた音づくりは、ファンのだれもが待ち望んでいたライブそのもの。「Fish」の弾き語りは、シモキタやシブヤの小さなライブハウスでなんども聴いてきたけれど、きょうのがいちばん。

LUCID NOTE SHIBUYA

こんなに一気に覚醒しちゃうと、次が心配になるけれど、ま、社長がなんとかしてくれるでしょ。明日以降しばらくは、フェスへの出演と怒濤のメディア・キャンペーンだろうから、次があるとすればクリスマスあたりかな。