アルバムのリリースから半年。プロモーションを兼ねたツアーならタイミングが悪すぎる。その理由の答えをいち早く見つけるために渋谷から仙台へ。弾丸日帰り。
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由薫さんの今夏のツアーが始まった。きょうは初日。中央2丁目。
過去のライブを体験したファンであれば、その違いや変化を容易に見つけることができる、と確信しながら過ごす。あのミステリアスで静謐で厳粛で凄味のある印象を、本人曰く「うっちゃって」、じぶんもまだ知らないじぶん自身の本性と限界を探し求めるかのような、音楽人としての野性と欲望と感情をさらけ出すかのような、あるいはファンといっしょにこの場を掛け値なしにたっぷりと楽しもうとするステージング。今回の由薫さんのライブは新しい魅力と音楽をつめこんだいままでにないライブ。行ってよかった。答えはこうだ。リリースしたからツアーをするんじゃない、ツアーのためにリリースしたんだ。半年間の空き時間は(仙台だけど)伊達じゃなかった。
すこしだけネタバレ。あの曲が聴けるとはまったく予想もしていなかった。まさかふたたびあれをライブで聴けるとは。未音源化の楽曲のなかでは飛びぬけて異質な作品で、初めて聴かされた当時は弾き語りでずいぶんヘンテコな印象だったけれど、バンドでアレンジするとこんなに化けるとは。今回の必聴レア・アイテム。
ようやくバンドメンバーのポテンシャルに追いついてきたと思いきや、MCではまだまだ奥野さんにはかなわない。ファンに寄り添う彼のMCにはいつも感心させられる。本ツアーのバンマス。