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10周年記念コンサート 宮崎薫 Strings Ensemble Premium Concert in 浜離宮

LUCID NOTE SHIBUYA

会場は昨日に引きつづき、浜離宮朝日ホール。

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今日は宮崎薫さんのワンマン。十周年。おめでたい。築地5丁目。

さすがにクラシカルな会場だけにリバーブのオンパレード。抑えたくても抑えきれない音の跳ね返りの繰り返しに耳が慣れるまで、ぶわんぶあんと脳内に残響が鳴りつづく。サポートはピアノ、ウッドベース、フルート、弦カル、総勢七名。本人はヴォーカル、たまにアコギ。昨日と同様、音数の多さに悩まされるかもと想像していたのだが、ヴォーカルをフィーチャーしたまさにサポートに徹するアレンジで、やたらと聴きやすい。宮本貴奈さんおそるべし。という事情もあってか、セットリストには宮本さんのソロや弦カルだけのコーナーも組み込んでだれも損をしない構成で、加えていつもより多めにカバー曲と、さらに新作の初披露まで。手持ちのネタをめーいっぱいに詰め合わせた周年ライブらしい周年ライブ。

厳粛で重厚、絢爛で豪勢なクラシックふうな環境と演奏に、宮﨑さんがどこまで真に迫れるか不安だったけれど、それなりに馴染んで見えたのは、この十年のあいだに踏んできた場数と経験の賜物なんだろうな。あれだけギラギラしたゴージャスなロングドレスとやたらに高いヒールを淑やかに着こなすとは。ステージ映えも充分。カジュアルでフリーな要素を取っ払うとなにも残らないようなあの宮﨑さんが、すっかり化けていた。今日だけのご褒美。

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しかし聴かせるよなあ。歌はうまいし、声も好き。新曲はもう一度、次はバンドで聴きたい。