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由薫 1st TOUR 2023 “Alone Together” – Final Day

LUCID NOTE SHIBUYA

開演三分後に現着。すべてJR東海の所為。

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由薫さんの初ワンマン・ツアーの最終日へ。久しぶりのスペードボックス。新栄2丁目。

一曲目のサビの途中、こっそりと重い扉を開けて入場すると、目の前に例のマネージャーさんが。ふたり笑顔で一瞬のあいさつ。この暗がりのなかでよくお互いに認識し合えたなと二曲目が終わったときにぼんやりと気づく。今日までの彼女の功績はひたすらに大きく、ビジネスの枠を越えて慈悲深く、無限にありがたい。彼女がいつまでマネージャーとしていられるかはわからないけれど、ここまで来た以上はもうしばらくは続けてほしい。彼女はとてもいいひと。美しくやり手。身なりは地味だけれど。

このツアー、フルバンドのアレンジで聴けたことがなによりのごほうび。すべての楽曲の感想を一曲ずつ書きたい気分だが、そういうのはどこかのウェブメディアの提灯記事に任せるとして、あえて一曲取り上げるなら、際立って戦慄の旋律に生まれ変わった「風」。長めのオーバーチュアから長めのイントロへのあのつなぎはプロの業。おそらく高慶さんの仕業なんだろうけれど、10ccふうの聴き応えたっぷりのアレンジはライブならでは。「欲」の高尾さんのときにジャジーにときにハネたビートには自然と感覚が鋭敏に。そもそも由薫さんのライブで打楽器が加わったのは初めてだし。これまでは必ず同期を使っていた「lullaby」のトリオ・アンサンブルは、ベースが奥野さんじゃなかったらまったく成立しない楽曲に変貌していて、リリース当時への郷愁と目の前で展開されているステージングの緊張感でもう頭ぐるぐる。「ヒヤシンス」からの「星月夜」の流れは裏切りの構成力。この二曲をどのタイミングで聴けるのかはこのツアーの楽しみのひとつだったのだが、こういうライブ感はいままの由薫さんのライブでは味わえなかった感触。「星月夜」のイントロにこんなにゾクゾクしてしまうとは。「lullaby」と「星月夜」はいまの由薫さんの代表曲だけれど、今後は「gold」や「June, I love you」が持つ80年代アメリカン・ポップ風の自由で奔放なソングライティングな楽曲が主軸になるかも、と強く思わせるライブの佳境。それだよ、いままでのライブでは見せたことのない、その笑顔、なりふりかまわない満面の笑み。待ってた。

LUCID NOTE SHIBUYA

秋のクアトロ・ツアー。たたみ掛けるようにぶち込んできた。ほんとにあのマネージャーさんはいい仕事をしてくれる。でもなあ、ほかのライブとダブりそうなんだよなあ、時期的に。