以前のザーザズー。今はロッジ。
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今日も由薫さんのライブへ。代々木1丁目。
ロッジは、指向性を意識して配置されたスピーカーとか、反響と抑制のバランスを考慮した吸音材とか、店内をざっと見渡しただけでも音づくりへのこだわりを感じる取ることができる良質なハコ。いまでは伝説となった「代官山LOOP」の、もとスタッフさんたちの顔もちらほら。どおりで。こういう環境と人材を提供してくれるライブハウスは、演者の出す音を忠実に聴かせてくれるから、使い手にとってはそうとうやっかいだ。なにせ、上手い演奏はより上手く、下手な音はより下手に聴こえてしまう。という視点で見ると、今日の対バン三組のうち、ひと組目は鍵盤がヴォーカルの邪魔をしていた。さん組目はヴォーカルが貧弱すぎた。両者とも聴きたい音を聴かせてくれなかったわけで、音づくりに失敗したと言っていい。成功していたのはふた組目だけだ。
由薫さんの今日は、ギターの外園さんとデュオ。いまベスト盤をつくるならこれ、というセットリストは全七曲。並びもいいし、締めもいい。全般にわたってヴォーカルのリバーブが強めだったのは、きっと音源の再現を狙ったものだとは思うのだが、やり過ぎるとヴォーカルのナマ感を削いでしまう。どちらがいいとは言えないけれど、聴きたい音と聴かせたい音のミスマッチはなるべく少ないほうがいい。オケなしの「純水」なナマ演奏は、今日は二曲。音源は音源で、ライブはライブで楽しみたいと思うのがライブ好きの性質。由薫さんの「正しい歌詞は音源で聴いてね」は本質を突く名言。
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外園さんのギターは久しぶり。彼の音は、特にアコギはひとを幸せにする性能を持っていて、聴こえてくるたびにマスク越しでも頬がほころぶ。