岩松さんの本領発揮。
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吉高さんの生の芝居が観られるというので行ってみた。北沢２丁目。
映画のキャスティングは役柄との相性とか、画的な見栄えとか、ましてや芝居の上手い下手とかなどではなく、ぜんぶ舞台ウラの人間関係で決まっていくんだぜ、という業界暴露系ストーリー。吉高さんの演技には、とりわけレンジとイントネーションが他の出演者とは大きく違っていて、聴き取るだけで精一杯、セリフが耳に入ってこない。そのせいか音声のバランスはずっと不安定で、掛け合いのシーンではアンサンブルさえ成立していない。したがって吉高さんをキャスティングしたことと、ストーリーの内容がぴたりとリンクしているように見えてきて、暴露の中身に信ぴょう性と現実味を加えることに成功していた。これが結果的なのか意図的なのかは知らないけれど。
いっぽうでストーリーには謎解きの要素もあって、観るほうの頭も次第にこんがらがっていく。業界の裏側を見せて面白がらせたいのか、謎解きを楽しませたいのか。加えて岩松さんのいつもの言葉あそびも満載で、冗談なのか本気なのか、見逃しても良いのか重要な布石なのか、そのまま素直に受けとめるべきかウラを読むべきなのか、判然とさせないまま芝居は続く。当初あったはずのシークエンスをカットした形跡も明確に見せてくるところも始末がわるく、ま、いろいろと整理する時間がなかったんだろうなあ。といったことも含めて、おもしろおかしくコミカルにとらえて観るか、重く暗い気持ちで眉間にしわを寄せながら観るか、観るものを惑わせる岩松ワールド・フル・オープンのステージ。
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明日はめっぽうわかりやすいエンタメ系の芝居へ。