折り返し地点。
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今年の土岐さんの真冬のツアーの四日目。中洲3丁目。
昼に広島から現着したあと、ひとステージを終えたらすぐに夜には帰京が予定だったにもかかわらず、発売して早々にチケットが完売したことに気を良くし、ならばもうひと儲けしようと目論んでひとステージをふたステージにしたのであれば、彼らはそうとうのやり手だ。彼らをブラック企業と呼んでもだれも反論できないくらいのタイトなスケジュール。こういうガンバリにはなんとか応えたいと思うのもファンの性。やるほうはたいへんなんだろうけれど。
そこで今日の土岐バンドは、福岡だけの特別仕様、日帰りなのに二回まわし仕様、それでもだれにも文句は言わせないぞ仕様で、新たなセットリストを編み出してくれた。おかげで、新盤の楽曲をフィーチャーしていてもどことなくその影が薄かったセットリストが、色相も彩度も、明度からコントラストまで、しっかりとトワイライトが際立つものに変化した。たとえ曲数が少なくなっても、たとえ全尺が短くなっても、これはこれで良し。短期決戦、少数精鋭、速攻勝負、いい感じ。
そもそも本ツアーでは、アルバムの楽曲の紹介をひとつずつ、詳細に滔々と語ってきかせるような野暮なシーンがない。ちゃんと歌って聴かせてくれている。だからこそなおさら、歌う姿はいつも以上にかっこいい。歌う姿は。
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次は仙台。セミ・ファイナル。