LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

MIYUJI KANEKO BLUE NOTE TOKYO meets CLASSIC – “The Modern Approach”

LUCID NOTE SHIBUYA

ブルーノート・ミーツ・クラシックの第一弾は昨年末。本日はその第二弾。

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月に一度はブルーノートへ。南青山6丁目。

本日が初聴の金子さんはハンガリーとニッポンのハイブリッド・クラシック・ピアノマン。ハンガリーのクラシックといえばフランツ・リスト。そのリストの楽曲のほかにローカル・ヒーローのヴェイネル・レオーの楽曲もセットされていて、さらに客席の駐日ハンガリー大使も紹介されたりして、もう気分はすっかりハンガリー・・・となってもおかしくないはずなのだが、ハンガリーへは渡航経験はないし、友人も知人もいないし、もっぱら冷戦下では情報統制された東側の国だったせいか日本の普通教育では知識も知見もほとんど与えらず、したがって画としても音としてもイメージしづらい国のひとつ、という現実に向き合うことに。頼れるのは目の前にいる金子さんの雄姿と彼が繰り出す音のみ。

一聴して丁寧さを感じさせる彼のMCは、緊張すると接続詞を多用する人にありがちな結果的に述語が曖昧になるという特徴を持っていたが、目的と気持ちだけはしっかりと伝わってくる好印象な日本語。いっぽう演奏での彼は、丁寧さよりも力強さ、関西訛りのようなリズム感、クラシックとジャズの境界をあいまいにしていく実験と挑戦、独自の規範と制約のなかで進めていく確信犯罪人だった。しかしこれノン・ピーエーで聴きたかったなあ。低音部の伸びが良すぎた。

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今日のセカンドは飲食のオーダーはなし。退場時の会計がないのは初めての体験。かわりにいただいたブルーノートブランドのプラスチックボトルのミネラルウォーターがレアものなだけにどうにもやるせなく、サンドウィッチをテイクアウトしてしまった。金子さんの「願い」が早く叶うといいのだが。