LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

ウダガワガールズコレクション vol.150

LUCID NOTE SHIBUYA

四月のジージ応援企画。月に一度はジージへ行こう。

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今日は通常モードの日常的なブッキングライブへ。鉄平さんにしては控え目の三組の対バン。ゆっくりまったり。宇田川町。

ひと組目は美桜さん。初聴。ギター弾き語り。楽曲はガールズポップな青春ソングばかりなのだが、正確なカッティングで導き出されるリズム感と、ライブぜんたいをとおした適度なテンポ感で、自然に引き出される高揚感と安穏感。彼女のライブの良さはリズムに始まりリズムで終わる。転調を多用せず、リリックとボーカルをもう少しオトナのそれにしてくれたなら、お付き合いを申し込むところ。

ふた組目は花桐はづきさん。初聴。ギター弾き語り。ジージ初登場。楽曲はいたってポップなのだが、ボーカルはまさに昭和の倍音シンガー。ねっとりとした脂肪分高めの歌唱と粘着力の強いギター・ストローク。渋谷のライブハウスよりも城東にあるサイン入りの色褪せたポスターが壁一面にべたべたと貼ってある地元の古いレコード屋さんが似合いそう。熱心なファンをしっかり掴んでいるところも歌謡シンガーっぽいのだが、おそらくこれが彼女の生きる道。高い好感度。

さん組目は野坂ひかりさん。おそらく二度目。自称「切実系シンガーソングライター」のピアノ弾き語り。シラブルとメロディの変則的な組み合わせで日本語を細切れにするボーカルと、大胆にドラマチックでヌードなピアノアレンジは、淡い初恋のうたをドロっとした不倫のうたに変えてしまうハイレベルなステージトリック。MCがお仕事系でなければ「切実」にも厚みが出てパーフェクトだったのだが、楽曲のそとでは自分を飾れない正直さも彼女のライブの持ち味なんだろうな。

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三組ともいい感じのお年頃。活動歴もそれなりで、新規リスナーの獲得よりも既存リスナーにどう楽しんでもらえるかにシフトする時期に差し掛かっているようで、ミュージシャンとしての自分のカラーをリスナーにしっかりと届けられる安定感のあるステージ。これ以上の変化は期待できないと思わせるのは寂しいけれど。それにしても鉄平さんのブッキングはどんなときもミュージシャンに優しい。