LUCID NOTE LUCID NOTE | Music show reports and Play stage reports

Flavor ~Daikanyama LOOP 12th Anniversary~

LUCID NOTE SHIBUYA

数日前にお会いしたときのマシさんの愛しいひと言は「薫ちゃんに会いて~」。

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今日は三組の対バン。鉢山町。

ひと組目は貴愛(きえ)さん。サポートはピアノと数曲がオケ。彼女のステージは何度か観てきたはずなのだが、記憶のなかの彼女と目の前で歌う彼女の印象がいつもなぜか合致しない。聴くたびに受ける印象が変わるのは、隣の部屋から聴こえてくるカラオケ大会のような脈絡のないボーダレスなセットリストだからか。いま歌いたい歌をセレクトするという彼女のステージスタイルは、いろんなテイストの楽曲を短時間にアレコレと楽しめる上級リスナー向けだ。韓国語を生で聴く機会がないだけにK-POPのカバーは耳に新鮮。

ふた組目はギター弾き語りの武田舞彩さん。初聴。ごくたまに遭遇するのだが、いろんなアングルで撮ろうとしてフロアをあてもなくさまい、シャッター音をサイレントにしないまま、イッパツで決めようとせず連写ばかりを繰り返すカメラマンは、プロでなくただの素人だ。MC中だろうと演奏中だろうと今日の彼が構わず発した迷惑な連写音こそ「モスキート」。おかげでステージの音にまったく集中できず、ギターのカッティングのキレの良さだけが印象に残る。

さん組目は宮﨑薫さん。半田さんのエレピのサポートがすこぶる秀逸。彼のおかげで今日やっと本来のライブ感。まさにいまナマの音楽を聴いていると実感したとき、一瞬で耳が解放され、入ってくる情報が一気に増える。増えたぶんを脳内で処理できなくなると、上半身を揺らし、足でリズムを刻み、手拍子やかけ声で溢れた情報をカラダ全身で演者に還さざるを得なくなる。この情報のやりとりの回数が多ければ多いほど良いライブ。今日の宮﨑さんと半田さんのステージはあまりに情報過多だ。終わったあとも処理できずしばらく興奮状態。良い余韻。

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この感じこそライブハウスの日常。