晦日の約束。
//
おお雨のビルボードへ。水浸しの足元。赤坂９丁目。
会場がビルボードと聞いたときはぶったまげたけれど、始まってみるとこれがまた納得のステージングで、彼らもとうとうここまで来たかという思いでいっぱいになってしまった。ビルボードで坂本さんのスキャットがこんなに映えるとは。おおはたさんのＥＳの響きも安定して心地よく、これなら七時間なんてへっちゃらだ。今回の彼らのアルバムは、坂本さんの息づかいやおおはたさんの弦さばきが聴こえてくるような生々しい音づくりで、ライブ好きにはめっぽう聴きやすい。今日はこれをそのまま再現したようなライブを、と坂本さんはおっしゃっていたが、ライブを体験したあとにこの音源を聴くと、まさにこれはライブ盤。いいアルバムつくってくれたなあ。
//
森山さんは、お母さんや奥さんのライブは何度か体験しているのだが、ご本人のナマ歌は初めて。音源から聴こえてくるうた声はけっして好きではない、いやむしろ苦手、もっと言えばできれば耳に入れたくない部類の声音なのだが、目の前で聴くうた声は、音源のそれとは印象がまるで違っていた。ライブは魔物だ。