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神の子(東京公演・二日目)

LUCID NOTE SHIBUYA

長澤さんと江口さんが共演すると聞いて。

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「神の子」全国ツアー東京公演の二日目へ。北沢2丁目。

客席のほとんどが、市民活動をする人たち、信仰心のある人たち、警備職や水商売に就く人たちへのステレオタイプを理解している、あるいはこれらの人たちに偏見を持っている、という前提がないと成立しないシリアス・コメディ。キャラクター十人のうち、だれかひとりでも共感してしまう人がいれば、リアルに感じて笑えない。このどっちつかずのギリギリなバランス感がすこぶるおもしろい。客席のほとんどが観劇に金と時間を使えるひとたちばかりだから、舞台に登場するひとたちとは真逆の富裕層、と捉えるならば、この客席側とステージ側とのヒリヒリする関係性を想像しながら観るとますますおもしろい。こういう化学反応のある舞台は大好物だ。

期待していた長澤さんと江口さんのからみはアレだったけれど(二日目だから具体的には書けない)、大森さん、でんでんさん、哲司さんのスリーショットは見応えアリ。大森さんのこういう役柄を観るのは二度目だけれど、彼はすごいな。哲司さんのこういう役柄は初めて見たけど、彼もすごい。そして江口さんはもっとすごい。手放しですごい。彼女なら長澤さんの役も石橋さんの役もサラっとこなしてしまいそう。この舞台、もう一回観たいな。

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本多劇場の年末公演はハズレがない、というジンクス。