宮本さんがゴッドファーザーを語るとは。
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ハギビスの影響で公演日が変更された宮本さんの今年のツアーの東京公演へ。紀尾井町。
後半のなかばまでは、聴き馴染みのある小品たちが並んでいた。楽曲名を聞いただけで脳内でメロディが流れるくらいに何度もライブで聴いてきたようなあいまいな記憶が、緊張感よりも安心感を増幅させた。クラシックのライブで、セットリストのすべてを初披露の楽曲で埋め尽くすには、一年という準備期間は短すぎるらしい。
となると、期待は後半の後半、緊張の二曲。今回は大作とまではいかなかったようだけれど、演奏の技術力、音への集中力、パートナーとの合奏力、リスナーへの伝達力、すべてがパーフェクト。数年まえは重そうに構えていたバヨリンが、今日はまるで身体の一部のように軽くしなやかに見えた。デビューからリサイタルツアーは欠かさず観てきたけれど、カワイイがなくなってキレイになった宮本さんの音は、いまがもっとも美しく、かっこいい。
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カヴァレリア・ルスティカーナ「間奏曲」で思い出すのは、ゴッドファーザーよりもレイジング・ブル。