昨夜とは大違いの武道館の上空。真っ青。
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セットリストも大違い。オドロキとヨロコビ。北の丸公園。
ポイントとなる節目節目は同じでも、骨格と肉付きがまったく異なる。同じタイトルのライブでも昨日と今日ではその内容も受ける印象もまったく別ものに仕上がっていた。「同じセットは二度とやらない」ことで有名なボスは、ライブ中のその場そのときで次にやる曲を決めるような人だったけれど、今日のジョンは、昨日の客にも今日だけの客にも過不足なく対応できるセットをあらかじめ用意して、一曲ずつ丁寧に、客の反応を楽しみながら演奏していた。彼らのこの精神的な堅実さと余裕が客席に伝播したとき、ライブは格別で特別なものになる。
演奏はどの曲も導入部分がいつもナチュラルだ。ヴォーカルで言い換えると鼻歌で歌い始めて徐々に声を張っていくようなことを、彼はギターでやる。鼻歌の段階だと曲名がわからないから、客はそれがわかるまで自然と耳を傾けることになる。特異な演出も飛び道具もないステージだが、バンドと本人の演奏には工夫とアイテムが隠されていて、それが明確に表出された瞬間の衝動たるや。加えて本人のたたずまいも常にナチュラルだ。客席を煽るような派手なアクションはせず、むしろ画的にはかなり地味(写真を撮ってもいつも同じ画にしかならないから、ほとんどの客は一度撮ったら二度とスマフォはステージに向けない)。おのずと客は目から耳に意識が移動し、ステージから繰り出される音に集中することになる。まるで魔法。ジョンはそれをいとも簡単にやってのけた。すごいな。またやられた。
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終演後に、この3日間、同じスケジュールだったミュージシャンと遭遇してしばし談笑。近いうちにそのミュージシャンのライブへ行くことに。そういえばしばらく行けてないなあ。