たったひとりのノイジー・フォールス・フライング・クラップスで気分は台無し。最後までちゃんと聴けよ。
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今日の月見ルは矢野まきさんと石嶺聡子さんのツーマン。南青山4丁目。
朧月夜なら中島美嘉さんのそれが秀逸だったなあ、と思い出しながら矢野さんの朧月夜を聴く。今日は旦那さんとのデュオ。前回の東京ワンマンも近い席だったけれど、今日はそれよりも近く、ナマ声とナマ音が聴こえる位置。「生きること」を全身で受けとめたときに起こる制御不能なあの皮膚反応を今日も楽しむ。これはもはや中毒だ。矢野まき依存症。
石嶺さんはライブの歌声は初聴。彼女は強力なヒット曲を持っていて、紅白へも出場した経験を持つ。この一度の成功で定着した世間一般のイメージと、そのときから今日まで、ずっと戦ってきたようなステージは、打ち込みのオケで始まり、打ち込みのオケで終わった。その間のセットは、ずっと戦ってきた結果として、それまでの焼き直しを迷いながらリスナーに聴かせていた。かつての成功がもたらした彼女の亡霊とのたたかいは、今後も不本意にも続いていくはずだが、過去の一切を切り捨てて、すべてを置き去りにし、まったく新しいリスナーを見つけるのも、亡霊とのたたかいかたのひとつだ。クラブミュージック、いいじゃん。迷わず徹底的に。好きなことを存分に。
総じて気持ちいいライブだったなあ。あのクラップを除けば。