LUCID NOTE LUCID NOTE | what Shibuya living in SHIBUYA have seen and felt

eri trio w/上原圭介、高橋結子

LUCID NOTE SHIBUYA

そもそも4月に入ってからの空白期間が長すぎた。初旬と呼ばれる時期は終わり、今日からすでに中旬へ突入だ。そんな中、高橋さんのいつもの唐突な告知ツイートが、すきっ腹に見事にヒットした。余程のことがない限り新宿には行かないし、これからも行かないけれど、今日はその余程のことだったみたいだ。

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バックインタウン、初登場。住吉町。

eriという名義で活動されているミュージシャンをこれまで幾度となく見かけてきたけれど、そのうちの誰でもないことは彼女のサイトと動画で確認できた。バックインタウンは、知人のベーシストが住む町にあり、高橋さんが奥沢さんたちと定期的に出演している場所であり、一度は行っとかないと、という意志のはたらく場所だった。eriさんもバックインタウンも、今日が初めてだ。

バックインタウンは、入口は1階にあるが、エントランスは踊り場が三つある階段を降りたその地下にある。フロアは縦に長い方形で、入場のドアがその左下角にある。入ってすぐに会計を兼ねた受付があり、フロアの左辺の中央に二間幅ほどのバーカウンターがあり、フロアからは見えないがカウンターの奥にキチンがある。内装のぜんたいはブラウンとオーカーを基調色とし、フロアの中央に数台の木目の丸テーブルと、その周辺に角テーブルが正しく整列していた。ステージはフロア床面から一段高く、フロア後方はステージの高さよりも数段高く、PAブースは背面の壁に埋め込まれるように配置されていた。フロアぜんたいは、ライブハウスのように背もたれのない丸椅子だけを並べれば、300脚は必要になりそうな広さと奥行きがあった。立派なライブハウスであり、見事なレストランだ。フロアの照明は、演奏が始まっても落とされないままだった。テーブルの上に運ばれたドリンクやフードがよく見えるし、本も読めるほどの明るさだから、ステージとフロアの間にあるはずの暗闇の壁は存在しない。したがって、照明の具合で醸し出されるはずのライブハウス特有の緊張感はなく、演者と客の間には会話があり、笑いがあり、涙があった。バックインタウンはそういうライブをやるところらしい。

今日のeriさんは、胸元まで開いた丸首のグレーのシャツの上に、生成りでレースの長袖カーディガンにしっかり袖を通し、軽くフリルのついたカーディガンと同系色のコットン地スカート、黒のストッキングという、衣装とも普段着とも言えないあいまいな雰囲気の着こなしのまま、ギターを抱えて登場した。楽曲はカバー1曲を除き、ほぼ全編オリジナル。自分語りを主軸にしたシンガーソングライターのライブを予習もなしに初聴した場合、どの曲もぜんぶ同じ曲に聴こえてしまうという現象に陥りやすいのだが、彼女には強力なベテランの助っ人が常にそばにいるらしく、多彩なアレンジと演奏で常に飽きさせない。得意分野はスロー・バラード。彼女は、彼女にしか歌えないバラードを彼女にしか歌えない歌い方で歌い、客の耳をステージに集中させる技をしっかりと持っていた。二部構成のワンマンをこなせるほどの楽曲をすでに抱えているにもかかわらず、活動範囲もライブ本数も限定的な現状は不思議でたまらない。こういうミュージシャンを世に出すことを仕事にしていると自負する人たちは、もっとちゃんと自分の仕事をしてほしいものだ。

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本編2ケツを聴いて思い出したのは、我らがボスの「Racing In The Street」のライブバージョン。