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音楽のある週末 第2回 南紫音ヴァイオリン・リサイタル

LUCID NOTE SHIBUYA

学生さんだから、今は夏休みってことか・・・

勝どき駅から徒歩で10分弱。汗だくになって着いたトリトンスクエアは天国だった。今日はクラシック。バヨリンの南紫音(みなみしおん)さんのリサイタル。晴海一丁目。

負けん気の強そうなルックスの通り、挑戦的で情熱的なバヨリンは、真夏の土曜日の午後のあいまいな時間にはぴったりだった。演奏は、想像以上にアグレッシブで、お顔も仕草も音に連動してよく動く。微笑んでみたり、泣いてみたり、踏ん張ってみたり、緩んでみたり。ここまで表情に出る方だとはつゆ知らず、最初はちょっと驚いたけれど、馴染んでくるとこれがすこぶる気持ち良く、演奏の熱さにトロケそうだった。

そんな熱くなりすぎたバヨリンを、優しい笑顔でやんわりと冷やす江口さんの伴奏がまた格別で、南さんとのバランスがぴたっと整った瞬間の、なんとも言えないザワメキ感が最高だった。

お客さんは席数の半分くらいだったけれど、ひとつのケーキを少人数で分けた気分で、楽しさも倍。クラシックのライヴは、楽曲こそ知らないものが多いけれど、そんな素人だからこそ体感できる空気感、緊張感、安定感が気持ちいい。

南紫音さんはまだ学生さんで、ライヴ活動もそれほど頻繁にはされないそうだ。卒業後はどうされるのかはわからないけれど、そんな少ないチャンスを掴めてやけに嬉しい。なんだか今年もいい夏になりそう・・・