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武部聡志×川江美奈子 「二人想フ会~1日遅れのクリスマス」

LUCID NOTE SHIBUYA

まだまだクリスマスにしがみついてやるぅ! 今日は鎌倉と都内のダブル・ヘッダー。どちらもシンガーとそのプロデューサーとの協演ツーマン・ライブ。まずは鎌倉から。

なんでもこのライヴ、チケットがプラチナ並だったそうで、ありがたいことに、七月に続いて今回もうまく入りこめた。

あったかい・・・今日は特に。ほんわか優しく、きゅっとチカラ強い。既存のファンやコアなファンの方々が多くを占めてただけに、彼らもいつものように図々しいくらいにライヴの音づくりに参加されてきて、なにやら独特な空気を歐林洞に産んでた。最近はテクニカルな部分に興味が向いていることもあって、どちらかと言えば苦手な参加型ライヴも、こういう空気なら嫌味なく楽しめたりする。

テクニカルと言えば、前半のクリスマス・メドレーの音つなぎ。川江さんはトチってばかりだったけれど(笑)、武部さんのプレイは、真後ろからその背中と、殴り書きのコード記号だけの楽譜を眺めるだけでも圧倒されるシロモノだった。

LUCID NOTE SHIBUYA

後半の”Auld lang syne”は、さらにその上をいってた。原曲のリリックを邦訳も交えて唄う川江さんと、武部さんの涙腺のゆるむピアノの音。そもそもそのマニアックな選曲が、素人には仰天モノなのだ。彼らは無類の音楽好きのミュージシャンで、その一面がひしひしと伝わってきた。さすがでした。

同じ音楽好きだけれど、自己主張だけで音を出す男子や女子が、渋谷にはウヨウヨといる。川江さんもデビューの頃は、そんな彼らと同様に、「自分ことを聴いて、聞いて!」って思って音楽をやっていたそうだ。でも最近は、「自分が誰かに何を届けられるかが大事に思えてきた」と仰ってた。音を押しつけてくるだけのライヴは苦手だ。身構える余裕を与えてくれないライヴは疲れてしまう。川江さんのライヴに何度も通ってしまうのは、そういう強引さがないからなのかもしれないな。

そして、同じように何度も通ってしまうライヴに、このあと向かう。川江さんや武部さんと同様に、彼らはその場の空気に敏感で、ことライヴの空気づくりにかけては、川江さんと武部さんのコンビを余裕で超えている。