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Jane Z. Japan Premiere Showcase

LUCID NOTE SHIBUYA

開場時刻がEASTと同じ・・・エキサイティングな春の一日。

ごった返し。守衛さんもお手上げ。EASTには1000人近く、duoには300人くらいが、ランブリング・ストリートを埋め尽くす。お隣のEASTは、男性スタッフが高性能な拡声器で手際良く入場を促す。そのEASTの拡声器があまりに高性能なので、duoの拡声器が全く聞こえない。さらにそのアナウンス・・・ニホンゴ通じてないようだけど・・・。今日はいつものお客さんと顔は同じアジア系でも、勝手知らない中国系の方々ばかり。そもそも「整理番号」とか「頭にAが付く番号」とか「順番」とかって理解できない様子だし。肝心の「入口でドリンク代500円」って、通じてんのか?大丈夫か?

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救いだったのは、お客さんがいつもの半分くらいだったこと。入場が始まると意外とスムースに完了。いやはや、どうなるかと思ったよ。事故でもあったら大変だし。なんて思ったのもつかの間、大陸との文化の違いに大いに戸惑う。な、なんだぁ?その電光板は! 四、五人のおそらく中国系のファンの方々が、45センチ角くらいの黒い板に、グリーンやピンクの電飾で、中国漢字を、ひとり一文字ずつピカピカと光らせてる。見渡すとリノリウムもばらばらと・・・。おいおい、今日はそういうノリでいくのか?・・・っていうか、これって許されんのか? なんだか80年代の日本のアイドルのコンサートのよう(エル!オー!ヴイ!イー!ってやつ)。ま、いっか、日曜日だし。なんだかわかんないけど、一応この雰囲気に飲まれてみよう。日本語の通じないお客さんがこれだけ多いと、スタッフもお手上げのご様子。なにやっても許される無法地帯な感じも、まあ悪くないね。でもここは日本ですから(絞めてかかるぞ!オー!)。

ライヴは予想を裏切り、予定時刻通りに始まる。そしてカメラの放列。いや、プレスじゃなくて、お客さんの。中にはビデオ・カメラまでまわしてる人も(しかも何人も! おまけに例の電光板が後方でぴかぴか)。おいおい、ほんとにイイのかよ。ということで、おそるおそる一枚だけ撮ってみる(トップの写真はその一枚)。

このへんからまじめに。

Jane Z.さんは、お隣の中華人民共和国を本拠地に活動されてるヴォーカリスト。本国ではかなりの人気者、らしい。今日は、日本での初のライヴ。来場されたお客さん向けというよりも、海外のお茶の間で映像を楽しむ人向けの演出で、日本人のMC兼(英語の)通訳付き。フロアにはお客さんのほかに、テレビ・クルーやプレス、それと名ばかりスタッフの方も多かった。

バックバンドはおそらく英語圏の方々。ギター、ベース、キーボード、ドラムス、サキソフォン。それに中国系女子のコーラス隊(かわいい)。途中でマライア・キャリーさんのヴォイス・トレーナー(元?現?)、ケビンさんもヴォーカルで登場。サポートメンバー完璧すぎ。うーん、すごいね。お金使ってるね。

肝心のJane Z.さんのヴォーカル。すごい。うまい。びっくり。Lovin’n you 最高!ファルセット完璧!

セットリストは、中国語のオリジナルと米語のカヴァーを交互に。ジャンルは、ポップス、ロック、R&B、たまにしっとりと大陸の演歌。それと日本語歌詞の新曲。日本のお客さんの反応が知りたかったみたいで、いろいろ試してるふうのセットリスト。でもなぁ、日本のお客さんっつっても、日本に住んでる中国人って感じがほとんどだしなぁ。音楽聴きに来たっていうよりも、Jane Z.さんを見に来たって人ばかりだったし。昔と違って最近の日本人のお客さんは、アクトにはもっとシビアだしね。思惑どおりに、反応を探れたのでしょうか。

MCさんとのトーク・シーンで、日本ではどんな活躍をしたいかって質問に、与えられた仕事をこなすだけっていうコメントは、少々痛かったな・・・。それだとそのへんの日本の期間限定アイドルと同じだし。せめて、自分の音楽をやりたいんだぁ、みたいなことぐらいは言ってほしかったなぁ。

今回、日本側の思惑で呼ばれたのか、中国側の商売で来たのかは不明だけれど、海外アーティストってイメージで売ってくなら、東京でならそこそこ売れるかも。日本の芸能界に迎合して全国ネットで売ろうとしたら、もって一、二年かな。そのためには日本語が必須だし。最初は地道に、ライヴ・ハウスで対バン参加で始めてみるってのもいいかもね。音楽ちゃんと聴いてくれる人たちの前で、歌いたい歌をめーいっぱい歌えるよ。そうしたほうが、もしかすると半年もしないうちに人気もいっきにウナギ登り!?・・・かも。なんてったって、歌うまいし聴かせるし。ま、儲けにはなんないだろうけどね。

それにしても大陸の方々って、執念深いなぁ。っていうか日本人はあっさりだなぁ。そのアンコール、しつこいよ。おかげでスッピンじゃん!(か、カワイイ)

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