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西山瞳 Mikrokosmos vol.1

LUCID NOTE SHIBUYA

月にみっつなら、毎月マキシが出せるという計算。

今月三度目のJZ Bratへ行く。西山瞳さんの生音は初めて。西山さんご自身もJZ Bratでの演奏は初めてなのだそうだ。そんなアウェイな場所での公演なら、お客さんも初聴の方が多いはず。なのでここはひとつ、直近にリリースしたオリジナルCDの楽曲をメインに、などと期待するのは、どうやら素人だったらしい。ほぼ9割がCD未収録で、音源のない新譜や蔵出しの楽曲ばかりでリストをセット。ジャズメンってmy own wayな方が多いって聞くけれど、どうやら西山さんも我が路を歩くタイプのようで、その冒険心、真似できないわ。

そんなお宝ふうな楽曲どもは、普段、ポップスやロックに慣れてる所為か、掴みどころがわかりづらく、ふわっと実態のない、不思議な音たち。とりわけ今日は、おとなしめの曲ばかりを集めたそうで、情熱的でもなく、輪郭もはっきり見えず、ストーリーもあるようで、ないようで。こうやって書くとなんだかすっごいネガティブな感じかもだけれど、全くそんなことはなく、全編通してむしろポジティブなのだからこれまた不思議。「exhibiting the now」って曲と「magenta」が個人的にはヒット。ちなみにどちらも音源は形にしてないそうです。

MCもまた不思議。口をそれほど開けずにぼそぼそと低音で低温な声で話される。と書くとまたネガティブな感じだけれど、全くそんなことはなく、関西訛りが功を奏しているようで、意外に面白く、丁寧で、そしてよく話される。強いてネガティブなところを挙げるとすれば、MC中は、客席側にはお顔を見せず、ずーっとピアノとお話しされてたことくらいかな。

終わり近くに、「ジャズは一期一会な音楽」と仰る。うん、なんか納得。聴き込んでいけば、きっと掴めそうな、そんな演奏。渋谷がアウェイなのがちょっと残念だけれど、今日のタイトルは”vol.1″。てことは・・・