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市ヶ尾の坂 -伝説の虹の三兄弟-(東京公演・初日)

LUCID NOTE SHIBUYA

いまさら昭和な。

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麻生久美子さんの舞台、コンプリート中。北沢2丁目。

昭和時代のとりわけ後期の、平日夜のプライムタイムに放映されていたコメディタッチのホームドラマでは、開け放した縁側の外庭が見える畳敷きの部屋に、長めの食卓机をふたつ横にならべて、家族全員が画面のこちら側を向いて横にずらりと並び、夕飯を食べながら今日の出来事を順番にセリフで回し、ひょんなことから父親が息子にキレて喧嘩を始め、途中で姉や弟が巻き込まれ、ついには母親と祖母も参戦し、最後は全員で大騒ぎして、収拾のつかない状態になったらCMに入る、というなつかしいパターンを想起させる今回の岩松作品。

ストーリーも舞台セットも、派手じゃないし毒も刺激もない。隠されたメッセージを探したり謎解きのために脳を動かすこともない。誰も死なないし誰も傷つかない。そこには生の舞台だからこそ味わえる味があり、噛みしめれば噛みしめほどいつのまにか演者さん全員を好きになってしまう、そんな舞台。昔のテレビドラマは面白いのがたくさんあったなあと思っている昭和でセンチメントな方には特におすすめ。今回は大森さんと三浦さんの演技もすごい。神懸り。

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初日にしては空席が目立ってたけど、これ、おもしろいよ。