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澤田かおりLIVE 2016~FRONTIER~

LUCID NOTE SHIBUYA

スケール感。

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普段は小さめのライヴハウスで繊細で上質なポップミュージックを聴かせてくれている澤田さんが、今日はちょと大きめのホールでどんなライヴを見せてくれるのか、ものすごく期待に胸をふくらましつつシットイン。元ピカデリー。道玄坂2丁目。

始まる前までは先月リリースされたニューアルバムをフィーチャーしたリリパなライヴを想像してたんだけど、そんなプロモ的な要素はほぼ皆無。だれもが持ってる喜怒哀楽な感情をすべて出しつくすライブにしたい、なんて上手いことおっしゃってたけど、言い換えればバラエティに富んだベスト盤的な、悪く言えば詰め込み過ぎてあっちこっちに散漫な、そんなライヴ。序盤はバンドでちょいアゲ、中盤は弾き語りでしっとり、終盤は再びバンドで音圧あげてドッカーンみたいな、どこかの音楽情報サイトの提灯記事を読むような、テンプレに則ったありがちで大味なライヴ。澤田さんもこういうライブ、やっちゃうんだね。でもナァ、こらなら代替になるライブがたくさんあンだよなあ、渋谷には。澤田さんなら無条件でなんでもオッケーな人には楽しかったのかもしれんけど。

澤田さんのライブに行くと、いつも何かをひとつふたつ持ち帰ってた気がすンだよね。それは彼女の音楽性だったり、人間性だったり。お、澤田さんってやっぱスゲーじゃん!みたいな、どこか人を唸らせる、黙らせる圧のような、納得させられるなにか。だからいつもライヴを楽しみに待ててたンだよね、まるで中毒のように。でもなかったなあ、今日は、それが。せめて、せっかく作ったんだから新しいアルバムの世界観とか、つくった経緯とか、かける意気込みとかがわかるような、プロモーション上等のしっかりとした生演奏で新曲まとめて聴きたかったなあ。これだとどんなアルバムなのかさっぱりわからん。で、わからんモンは買えん、ということで今日はCDゲットせず。サイン欲しさでCD買うような経済的余裕はないのだよ。とほほ。

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ホールでやった意味ってどこに? 正解は次のライヴで。